サラ金の借金をまとめて返したい!一括返済のメリットと注意点とは

銀行や消費者金融からお金を借りると、通常は借入総額に応じて、「1ヶ月に~万円」というように、毎月少しずつ返済することになります。

毎月の負担が少なくて済むかわりに、借金を全て返しきるまでに時間がかかります。その間に発生する金利によって、返済期間が延びれば延びるほど、利用者は金銭的に損をしてしまいます。

金利を減らす策の1つとして有名な方法であるのが「一括返済」です。長期間の借り入れを避けるために、一括返済をするメリットと、その注意点について解説していきます。

サラ金の金利を節約しよう!一括返済の概要を解説

サラ金(現在の消費者金融)の借り入れで心配なことと言えば、やはり、金利の発生に伴う債務総額の増加です。借りた時と全く同じ額を返済することが出来る金貸し業者など存在しません。

お金を貸したときに発生するのが金利です。この金利は、原則的に「貸している期間が長いほど多く発生する」ということは誰でも知ってることでしょう。

金利がなぜ発生するかと言えば、債権者が、その期間に貸している資金を自由にすることが出来ないためであり、その不便さの代償ということです。

金利が貸金業者や利用者によって違う理由は、その業者が自由に扱える金額の大きさが違う(中小企業など資金が少ない中でお金をたくさん貸すと不便さが非常に高い)ためであり、利用者のリスクが高い(収入が不安定だと完済できない危険性がある)と、そのリスクに応じた金利が設定されるためです。

一括返済は、お金を借りる側にとっても、貸す側にとっても、貸し倒れリスクを防ぐという意味合いを持っています。後ほど詳しく説明しますが、一括返済による最大のメリットが、「債務期間の短縮による将来金利の節約」ということになります。

特に、金利が高いと言われるサラ金(以降消費者金融と呼称)では、可能であれば一括返済を活用することが望ましいと考えられています。

是非知っておきたい!一括返済はどうやればいいの?

一括返済は、貸金業者への連絡、返済日の相談、金額の算出をしたうえで行うのが基本的な流れになります。まず何よりもしなくてはいけないのが、一括返済をする場合に、現時点で自分がいくらの借金をしているのかを確認することです。

一括返済と任意返済は少し異なり、任意返済は返済額を自由に決めて、約定日以外の好きなタイミングで返済するのに対して、一括返済は貸金業者と話し合ったうえで、決められた日にすべての借金を返済することになります。

特に数百万円の債務である場合、金利計算を間違えると大きな誤差になってしまうため、自分で計算するのではなく、必ず貸金業者に連絡を取り、一括返済をしたい旨を伝えて債務計算をしてもらいましょう。

一括返済自体は好きな時に行うことが出来ます。「お金を借りてから半年は出来ない」とか、「~万円以上の債務ではできない」といった制限は一切ありません。必要であると判断したのであれば、気軽に貸金業者に相談しましょう。

金利の節約だけではない!一括返済をするメリットとは

さて、一括返済をする最大のメリットとは何かというと、これは間違いなく金利の節約ということになります。

例えば、約定日に決められた金額を支払い続けると、返済に1年掛かる借り入れがあったとします。金利は「その時点で残っている債務総額にかかる」のが一般的です。つまり、返済して徐々に債務元金が減ってくるとはいえ、金利は返済が完了するまでずっと発生するのです。

一括返済をすると、それ以降に本来発生するはずだった金利を全て発生させずに済むというメリットがあります。

先の例でいえば、完済に1年かかる債務を、3ヶ月目に一括返済すれば、以降の9ヶ月間に発生するはずだった金利を全て無しにできるわけです。

さらに、一括返済には、貸金業者からの評価を上げるというメリットもあります。一括返済は広義的には、任意返済と同じです。簡単に言えば、返済能力が高い人であると消費者金融や銀行から評価してもらうことが出来るのです。

限度額をいち早く上げたい場合や、自分の収入が不安定で返済能力を低く見られていると分かっている場合は、積極的に一括返済を活用することで、本人の信用評価を高めることもできます。

【関連記事】
銀行か消費者金融か?サラ金をまとめる賢い利用先の選び方

一括返済をした方が良い人はどんな人?

一括返済をした方が良い人としない方が良い人というのが存在します。誰でも一括返済出来るならしましょうというわけではなく、あくまで向き不向きがあることは知っておきましょう。

まず、一括返済した方が良い人はどんな人なのかというと、「複数の債務が同時にある人」と、「約定日の返済よりもかなりお金の余裕がある人」です。

この2つのタイプの人は、可能であれば速やかに一括返済を利用すべき人だと言えます。

前者の場合、多重債務のリスクを減らすため、最も金利が高い債務先から優先的に一括返済を活用して、「借り入れしている業者数自体を減らす」ことを心がけましょう。

後者の場合、借金があるのに手元に使わない資金を遊ばせておくのは、金利的に損な行為でしかないからです。一括返済が無理であっても、任意返済を利用して、債務の元金を少しでも減らすように行動しましょう。

これとは反対に、一括返済をしない方が良い人というのも存在します。具体的には、「毎月の生活に金銭的余裕がない人」です。このタイプは、一括返済するのに相当な無理を強いられます。その結果、その時に何とか一括返済出来ても、すぐに家計の財政が破綻し、再び借り入れに頼ることになってしまいます。

一括返済の活用は、あくまで本人やその家族に無理が無い範囲でこそ行うべきなのです。「これから厳しそうでも無理やり返済してしまえ!」という考えは、結果的に更なる債務を引き起こすだけなのです。

一括返済には2種類ある?ペナルティとしての一括返済とは

ここまでは、自発的に一括返済をするケースについて解説してきました。しかし、一括返済には別の側面もあります。それが、金融事故のペナルティによる一括返済です。

借金の滞納や長期間に及ぶ延滞をしてしまった場合、貸金業者からの信用は最低になります。こうなると、貸金業者側としては、「今すぐこの利用者とは縁を切りたい」と考えるようになります。その時に要求されるのが、即時一括返済と呼ばれるものです。

これは通常の一括返済とは異なり、法の強制力を持っている強烈なものです。簡単に言えば、「貴方は信用できないので、~月~日までに現在の債務を全て返済しなさい」という命令のようなものです。もちろん逆らうことは出来ません。

もしその時までに返済が成されない場合、強制執行(昔でいう財産差し押さえ)が行われます。非常に強力な命令である分、これを行うためには、一定の猶予が債務者に与えられることになっています。

貸金業者としても、誰にでも使えるわけではなく、悪質な滞納者や情報詐称をした相手にしか使えません。貸金業者としても、顧客を完全に排除する命令であるため、決して得な行為とは言えないのですが、債権回収のための最終手段もあるということを知っておきましょう。

一括返済は、私たちが今ある債務を一気に返済する金利の節約手段であると同時に、悪質な利用者に対する、貸金業者の切り札としての役割も持っているのです。

意外な落とし穴に気を付けよう!一括返済での注意点

今ある債務を全て返済し、金利を大きく減らすことが出来る一括返済ですが、その際に気を付けなくてはいけないことも多々あります。その中で今回は、多くの人がついやってしまいがちな、意外な落とし穴について説明していきます。

一括返済をATMで行う場合、入金された額に対して「お釣りが出ない」ということは知っておきましょう。

約定日の返済とは異なり、一括返済では金利計算によって、債務総額が1円単位の非常に中途半端な額になります。

その時に、面倒だからと言って端数を無視してATMに入金する人がいます。気持ちはわからなくもないのですが、その時に、普段の買い物をしたときのようにお釣りが出てくるようなことはありません。面倒でも損をしたくなければ、きちんと決められたお金も用意したうえでATMで返済しましょう。

もう1つの注意点があります。現在ではほとんどの貸金業者が対応しているのですが、一括返済は一部の消費者金融(特に中小)で未対応のケースがあります。

この場合、一括返済がそもそもできないという可能性がありますので、将来的に一括返済を利用するかもしれないというような場合、貸金業者を選ぶ時点で、一括返済もしくは任意返済が可能かどうかを確認しておく必要があります。

一括返済されると嬉しいのか?貸金業者の本音とは

お金を貸している側は、自己破産などの債務整理によって債権未回収になることが無く、お金を借りている側にとっては、金利の節約になる一括返済は、一見するとどちらの金銭的リスクを減らせる合理的な方法で双方が得になるように見えます。

確かに、一括返済すれば、利用者に返済能力があると消費者金融は判断しますが、かといって、一括返済を貸金業者が推奨しているかと言えば、そんなことは全くありません。

よく見る金融業の広告などでは「金利~%」や「~万円までは収入証明書不要」といった文言は頻繁に目にするでしょうが、一括返済や任意返済については驚くほど何も書かれていません。

貸金業者にとって、任意返済や一括返済によって短期間に返済されるのは、金利による利益が大きく減るため、決して歓迎できることではないのです。

貸金業者が一番歓迎する客(利用者)とは何か。それは、「長期間の借り入れを契約違反することなく続けてくれる」客です。

借りてもすぐに全部返済されてしまっては、金利がほとんど発生せず、利益にならないのです。言い方は悪いですが、賢い利用者よりも、延々と借り入れをしてくれるカモにできる利用者の方が、貸金業者としては歓迎です。

貸金業者が経営として成り立っているのは、金利による収益があるからです。そのため、企業側と利用者側の債務関係はゼロサムゲーム(一方が得をするとその分もう一方が損をするゲーム)に近い性質があるのです。

何が言いたいかというと、貸金業者を効果的に活用したいのであれば、自身の信用を失わない範囲で相手が損をするような行動をするのが最も合理的であるということです。これは借金をするときに必ず心に留めておくべきことなのです。

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